ある程度の年齢を重ねると、実家や兄弟姉妹宅で住む人がいなくなり相続してしまうなど、空き家を管理しなければ行けない諸事情が起こる事があります。
全く住んだことがない家なら別ですが、幼少の頃を過ごしていたりすると思い出が先行し、すぐに解体というわけにはいかないという人もいます。
では、空き家になった家は、そのまま残した方が良いのでしょうか?
それとも、いさぎよく解体してしまった方が良いのでしょうか。
本記事では、諸事情で空き家を管理しなければいけなくなった際、解体するか残すかの場合で、それぞれのメリットとデメリットについて説明します。
将来的に空き家を管理するかもしれない方は、本記事を参考にしてみませんか。
空き家を解体した場合のメリットとデメリット
最初に、空き家を解体した場合のメリットとデメリットについて説明します。
実家の空き家を相続したものの、既に家族と住んでいる家があるので必要ないという場合は、解体の選択肢を選ぶことになります。
実家の場合、思い出もろとも解体することになりますので、躊躇することもありますが、決めた以上は過去を振り返るのはやめましょう。
もちろん、全く思いれがない場合もありますので一概にはいえません。
空き家を解体するメリットとデメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。
空き家を解体するメリットについて説明
空き家を解体するメリットとして、固定資産税がかからなくなります。
ただし、土地も一緒に相続した場合には、土地代金の固定資産税がかかります。
固定資産税がかかるものの、土地を残す場合は家付きよりも安くなります。
少なくとも家が建っていた部分の土地がありますので、駐車場や新築アパートを建てて固定収入を得ることが可能です。
また、新たに家を建ててそこに住むなどの方法もあります。
他のメリットとして、親の遺言で空き家を残さなければいけないと言われた時、思い切って解体することで、呪縛から逃れられた気分になります。
特に空き家があるために、維持費が年単位でかかかっていた場合など、「やっと解放された」と思う人もいます。
空き家を解体するデメリットについて説明
空き家を解体するデメリットは、一過性のものですが業者によっては近隣に騒音や粉塵といった迷惑がかかることがあります。
騒音や粉塵は解体業者によって色々な対処法がありますが、重機を使用しますので近隣に知られてしまいます。
もう1つのデメリットとして、解体業者選びが重要になります。
解体費用は、業者により料金がまちまちです。
ある業者は解体で出た大きな石などは回収してくれるのに、別の業者では追加料金を取られるなどです。
人生のうちで空き家を解体するという経験は、頻繁にあるものではありません。
そのため、自分が親から相続した空き家を解体した料金が、友人の解体した広い空き家より割高だったということも考えられます。
割高でも何とかなれば良いと思えれば良いですが、安く抑えたい時には、解体業者の情報収集という手間が加わります。
空き家を残した場合のメリットとデメリット
解体を検討していたけれど、つい最近まで住んでいたのでもったいないと思った場合など、空き家を残す選択肢を選ぶことになります。
なによりも、空き家に詰まっている過去や思い出までも壊したくないので、自分が引き継ぐというよくわからない使命感が湧くことも珍しくありません。
本章では、空き家を残した場合のメリットとデメリットについて説明します。
空き家を残した場合のメリットについて説明
空き家を残した場合のメリットとして、継続して住むことが可能です。
数年以上前から空き家になっていて、ボロボロになっているなら解体した方が良い場合もありますが、修繕して住む楽しみがあります。
そこまでボロボロでない思い出が詰まっている空き家の場合、ちょっとしたリフォームで住むことができますし、今まで知らなかった部屋が見つかった時など、宝探し気分を味わうことができます。
なによりも、「固定資産税と修繕費だけで、夢のマイホームを得ることができた」と考える人もいます。
もし空き家に住むことがない場合でも、きれいに管理さえしておけば、セカンドハウスとしていざという時や別荘としての使用も可能です。
さらに副次的なメリットですが、自宅と別にセカンドハウスがあるということで、優越感にひたることができます。
また、家の傷みが少ない場合、誰かに貸すことで、定期的に家賃収入を得るなど、選択肢が増えます。
空き家を残した場合のデメリットについて説明
空き家を残した場合のデメリットとして、管理が必要になることです。
不思議なもので、家は人が住まなくなると荒れてきます。
庭の草木はもちろん、家の屋根や壁にもどこから生えたのかわからない植物が生えたりもします。
また、空き家によっては、不法投棄などでゴミ屋敷になっていることもあり、近隣への迷惑はもちろん、野良猫やカラスのたまり場になってしまうことも珍しくありません。
空き家が荒れないためには、自分で定期的に管理するか、業者などに頼むことですが、体力的や金銭的な負担になることは間違いありません。
働いた給与が、空き家管理するための費用でほとんどなくなってしまったり、休みの度に様子を見にいくようでは、なんのために残したのか分からなくなります。
空き家を残した場合のもう1つのデメリットとして、前述の通り固定資産税がかかります。
ただし固定資産税は、空き家に年季が入っている場合はその分安くなります。
支払っても生活に影響がない金額であれば、逆にメリットとなります。
空き家になる諸事情とは?
そもそも、空き家を管理する諸事情がなければ、メリットもデメリットもありません。
では、どのような時に空き家を管理することになるのでしょうか。
一番多いのは遺産相続です。
これは家族だけとは限りません。
例えば、家を持っている身寄りのないお年寄りや友人と仲良くなり、気に入られたこともあり遺産をもらうという可能性もあります。
他には少数派ですが、家を購入し、これから生活しようと思っていた矢先、何らかのトラブルがあり、別の場所へ住まざるを得なくなった時です。
いずれにせよ、管理が必要になりますが、年季の入った家屋もあれば、新築同然の空き家もあります。
突然、空き家を引き継いだものの、これからどうすれば良いかわからないという人も多いです。
地方によっては空き家バンクなどのサービスがありますし、買い取ってもらえないか不動産屋に相談する方法もあります。
空き家を「解体」でも「残す」でも後悔のない選択を!
いかがでしたか。
空き家を解体する場合と残す場合のメリットとデメリットについて説明させていただきました。
「親から空き家を相続したけれど、維持費ばかりかかって生活もままならない」となってしまえば、何のために残したのかわかりません。
逆に「空き家を解体したけれど、よくよく考えてみれば管理する余力があったので、やっぱり思い出として残しておきたかった」となった場合、取り返しがつきません。
似たような家は建てれても、全く同じものではありません。
最終的な判断は、家族との相談や自分自身の決断で行わなければいけません。
空き家を解体する場合でも残す場合でも、後悔のない選択をするようにしましょう。
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